作問の備忘録

テスト問題を作るときの、大した計算ではないけれども、やろうと思うとめんどくさいことどもを記録。

接する放物線

先日、 「のグラフがx軸と接するときのmの値と接点の座標を求めよ。」 というタイプの問題を練習させようとしたら、問題集に問題が1問しかなかったので、その場で問題を作った。 そしたら係数の設定をミスってルートが出てきてしまうという失敗をしてしまっ…

half-versineの定理

yahoo知恵袋で回答した内容をもう一度まとめる。 これは球面三角法における定理で、航海をするときの技術だった。 versineとは、のことで、和算においては矢と呼ばれた。 half-versineは、これの半分で、 つまりのことである。 あえて日本語にするなら半矢だ…

45°の角をなす空間ベクトル

平面ax+by+cz=0と、その法線ベクトル(a,b,c)を考え、平面上に法線ベクトルと同じ大きさのベクトル作ればいけるかな。 簡単だった。 となるについて、 は垂直で長さが等しい。 はなす角45°。 これでは面白くないから四元数を使って回転させたけど… ひどい式に…

解と係数の関係

yahoo知恵袋より 解と係数の関係x²-(m-1)x+m+6=0がともに2以上である2つの解をもつとき、定数mの値の範囲を求める問題です。 2つの解をα、βとするとき、α≧2、β≧2であるからα-2≧0、β-2≧0より、α+B≧4・・・① (α-2)(β-2)≧0・・・②が求められます。 ①は分かりま…

互除法の式の個数について再考

教材化できないか考えている。 例えば、自然数の組{3,4}について、最大公約数は1である。 また、4=3×1+1で、最大公約数にたどり着くまでの式の個数は1 この式の個数をDep({3,4})=1と表してみる。 {3+4,4}と{3,3+4}はそれぞれ{3,4}と同じ最大公約数を持つ。 …

連立合同方程式②

もう少し話を進めよう。 a≡1(mod4),a≡3(mod7) を同時に満たす整数aの求め方についてだ。 ガウスの方法で求めてみよう。 まず,4α+7β=1を満たす整数α,βを一組求める。 例えばα=2,β=-1である。 これさえ見つかれば, a=1×7β+3×4αと置くだけでほぼ終わりであ…

整数の性質の単元批判

正直、今の整数の性質の単元はろくでもない。 例えば、なぜ負の数を割った余りなどというものを考えたがるのか、にも関わらずなぜ割る数は正の数限定なのか、その辺りの流れが非常に説明不足かつちぐはぐである。 整数除算について教える時には、まず生徒の…

連立合同式

整数の性質の問題で, 「aを整数とする。a+2は4の倍数、a+3は7の倍数であるとき,a+10が28の倍数であることを示せ。」 という問題を量産したい。 「a+pはmの倍数,a+qはnの倍数であるとき,a+rがmnの倍数であることを示せ。」 と置くことができるが, m,nが…

辞書式配列の問題の解法

地道に性質を調べて式を作っていくだけ。 n個の異なる文字を辞書式に並べたとき、与えられた文字列が何番目にあるかを求める。 ① 文字の若い順にの数を当てはめる。 ② その数より左にある数を見て、その数より小さい数が何個あるかを①の下にかく。 ③ ①の数か…

式の不変と図形の不変

これは作問とは少しずれるが、今の教科書にはもっと、代数的な見方があっていいんじゃないだろうか。特に「対称式の問題」がただのテクニックの習得になってしまっていて、「対称式」という言葉をあてるのに相応しくないと思うのだ。 「対称式」という言葉を…

ワックスの残量

学校ならではのイベント、それはワックスがけ。学校にもよるが、裏でその準備をするのは係に当たった教員である。18リットル入りの缶をうまく使い切るのはまれで、大体、半年前の余ったワックスを使うことになる。 これは係を任された人間にとっては地味に…

○回勝負の勝敗

例えば、「A,Bが試合をして、先に○回勝った方を優勝とするとき、Aが優勝する勝敗の順は何通りか。ただし、引き分けはないものとする。」のような問題は、樹形図の問題として出ているが、もちろん出題者はあらかじめ答えを知っていなければならない。 計算で…

3行の互除法の作問(ある程度解決)

~続いた~ 別の方向からある程度解決したので書いていく。 ひたすらいろんな数を試した結果、フィボナッチがどうとかいう問題ではなく、 の形の数列が畳数3であることが分かった。 証) に対し、 を示す。 また、 ここで、 なので,明らかに正。 このとき、…

一般化へ

なぜ、ではうまく畳数を固定できたのか考えてみる。 まず、について、 という形になっているので、必ず次の式ではとなり、pが余ることになる。 (かといって、これをそのまま解いてとしても条件が足りなくてうまくいかない。) あとはこのpに対し、の形をして…

二次関数の複雑な作問

実力テスト作成の際に考えたことなど。 二次関数の問題で、置き換えと解の符号の決定が絡んだ問題を作りたかった。 という形の二次方程式になる問題にして、1問目で変域をおさえ、2問目で具体的なmの値に対する解を求めさせ、3問目で4個の実数解を持つ条件…

互除法の作問(フィボナッチもどきの利用)

互除法で余りが1になるまでの式の行数をコントロールしたかった。 作問の関係上、なるべく何の変哲もない数で、無限に生成できて、途中式の難易度もコントロールできるとなおよい。 というフィボナッチもどきの数列を考えることにする。 k=1のときはフィボナ…

有理化の作問

分母が何項までなら有理化可能か。 ただしは互いに素とする。 3項の場合 2つの項をひとかたまりとして2項のときの有理化をすればよい。 大事なのは、このとき項の種類が減るかどうかである。 分母は2項になっているので、ここからもう一度2項の有理化を…

互除法の作問

「」のような問題は、に互いに素である整数を選べばいくらでも作れる。 しかし問題作成者の立場で考えると、それが「何行の計算で終わるのか」が重要になってくる。 互いに素である整数について、互除法をしたときに1に到達するまでの式の行数をここでは畳数…

判別式の作問

「が重解をもつときのmの値とその重解を求めよ。」のような 2次方程式の判別式の問題を作りたい。 作問にあたって満たしたい条件は、 1.の形であること 2.判別式からなる2次方程式を解いたときの解が整数であること から、 判別式をDとすると、 2つの…

60°の角をなす空間ベクトルの作問

1.60度の角をなす。 2.現れる成分がすべて整数。 を満たす2つのベクトルを作りたい。 平面上ではこのようなベクトルを作ることはできないが、空間上では可能である。 結論としては、 m,nを整数として、 で無限に生成できる。 方法はごり押しである。 …

45度の角をなす2直線の傾きの決定

2直線の方程式からなす角を求める問題を作りたい。 1.なす角は45度。 2.2直線の傾きはともに有理数。 生成する式はいくらでも作れる。 加法定理からごちゃごちゃ計算していたら、友人に次の図で瞬殺されてへこんだ。

余弦定理の作問(角度を求めなくてよい場合)

例えば、△ABCの3辺から余弦を求めさせて、正弦、面積を求めさせる問題では、有名角を用いる必要はないので、作問は楽になる。 しかし、余弦を求める際のハードルはなるべく下げておきたい。 1.三角形の3辺はすべて整数。 2.余弦を求めたとき、分母が2桁以…

余弦定理の作問を図形的に見る

に対し、と置き換えても等式は変わらなかった。 をbについて解くと、 で、 これは下の図から明らか。

60度の角をもつ整数辺三角形の作問

次のような条件を満たす余弦定理の問題を作りたい。 1.3辺を与えて角を求める問題。 2.求める角は60度である。 3.3辺はすべて整数である。 4.正三角形は自明として避ける。 5.整数は最大でも16まで。 これらに当てはまる3辺の組を「解」と呼ぶことにする…