整数の性質の単元批判
正直、今の整数の性質の単元はろくでもない。
例えば、なぜ負の数を割った余りなどというものを考えたがるのか、にも関わらずなぜ割る数は正の数限定なのか、その辺りの流れが非常に説明不足かつちぐはぐである。
整数除算について教える時には、まず生徒の思考を同数累減まで遡らせる必要がある。
13÷3は、「13から3が4回引けて(取りきれて)、1余る」である。ブロックを使って指導すべき場面である。
小学校6年間で割合までアップグレードされた割り算の意味を、一度、「基準となる量を繰り返し引く」まで戻すのだ。
ここまで戻して初めて「基準となる量」=「法」=「measure」の概念が自然と立ち現れる。
次に、法を決めたときの連続する整数の余りについて考察させる。
これもブロックを使えばすぐに納得がいくだろう。
数を減らしていって、0を超え,負の数になるところまでやれば、自然と「負の数を割った余り」の定義の必要性に気付く。
また、数字の順をそろえたトランプを何人かに順に配っていくつかの山に分けてみせる。すると当然ながら余りが同じ仲間が同じ山に集まる。
これを通してすべての整数が余りによって分類できることがすぐに了解される。
たったこれだけだ。たったこれだけの工夫でできることをなぜあえて数式で導入しようとするのか意図が分からない。